炬口・海のめぐみ

炬口漁港を代表する海産物と言えば、しらす、いかなごです。いかなごはスズキ科の魚で、その新子(稚魚)を獲ります。炬口のいかなご漁の歴史は古く、江戸時代の天保年間(1831-1845年)にはすでにいかなごの船曳網が盛大に営まれていたと伝えられています 。現在は漁獲量が減り、漁の解禁日が設定されているため、漁期は2月末から3月に限定されています。水揚げされたいかなごを醤油や砂糖で甘辛く炊いたくぎ煮は、炬口に春の到来を告げる旬の味覚といえます。
しらすはカタクチイワシの稚魚を指します。漁期はゴールデンウィークから12月頃まで。水揚げされたしらすは、新鮮なうちに釜茹でされ、天日に干されてちりめんじゃこになります。炬口の人々にとっても身近な食材で、昔はお祭りの時など、各家から持ち寄ったちりめんじゃことキュウリを和えて酒の肴にしておいしかった、という話もあります。

しらす干し
しらす干し
いかなご
いかなごのくぎ煮