炬口地区を、浜手から山手へ向かう一番奥の方に炬口八幡神社があります。この神社は京都の石清水八幡宮の別宮として建てられ、祭神は応神天皇、神功皇后、玉依姫命の三神です。
この神社は当初、洲本市中川原町三木田にありましたが、延喜21年(921年)4月27日、戦火に遭って社殿が焼失し、御神体が炬口の老杉の枝に飛んで来たために、村人がその場所に社殿を建ててまつったのが始まりとされています。
平安から鎌倉時代にかけて、炬口は「炬口庄」と呼ばれ、石清水八幡宮の荘園地として米や魚介類をたくさん納めました。この功を認められて格式の高い神社にだけ許される「八幡宮」を名乗ることを許されました。淡路島では炬口と鳥飼の八幡宮だけがこれを許されていました。明治16年(1883年)に改称され、現在は炬口八幡神社となっています。
令和3年(2021年)には創建1100年を迎えるにあたり、350年ぶりに拝殿の大規模修繕工事がおこなわれています。